
居場所とは抽象的な概念である。
ネットで検索すると
「居るところ、座るところ、自分が存在する場所のこと。また、自分の持っている能力を一番発揮できる分野」と記されている(ウィキペディア)
かの有名な家入一真さんは起業も居場所になりうると語る。
『起業は居場所作りでいいと思う』http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140328/261938/
人によって様々な解釈が出来る、
「居場所」
果たして居場所とはどんなものなのだろうか。
それに興味をもった私が取材に向かったのは、インターン先である
「ネットサービス業界のリッツ・カールトン」
を目指すグレイトフルデイズ株式会社。
「世界№1の心温まるオンラインポジティブコミュニティの創造」を企業理念に掲げ100カ国へのサービス展開を目標にしている。
どのような想いをもちグレイトフルデイズ(感謝の日々)で働いているのか。
そしてSNSでの居場所作りの実態とはーーー。
今回はCOOである雲井さん(以下;雲)と西山さん(以下;西)にお話を聞いてみた。
真;今の事業について教えてください。
西;MILUというオンライン上のコミュニケーションゲームを運営しています。
雲;ここでは「ありがとう」の創出・発信のプラットフォームとして「場」「コミュニティ創り」には特に気を使い、「思いやり」や「助け合い」にインセンティブが働くポジティブな仕組みを作りました。
ソーシャルゲームやオンラインゲームのあり方に一石を投じたいですね!
「思いやり」や「助け合い」を大切にしているオンライン上のコミュニティゲーム!?
真;おもしろいですね!!ただどうしてそのような事業をするに至ったのでしょうか?何かきっかけがあれば教えていただきたいです。
雲;少し暗い話になってしまうのですが・・きっかけは、友人の死を通じて、人生は一度きりしかないから悔いのない人生を過ごしたいと思ったことでしょうか。
真・西;ほー。
雲;自分にとって悔いのない人生とは、今も、未来も、持続的幸福感を得られている状態で、そのためには、自分のためだけではなく、誰かのために役立っている!と迷いなく信じられている状態を創ることだな、と悟ったんです。どうすれば、おもいっきり誰かのために役立てるのか、と考えた時に、僕はインターネットを通じ世界中のより多くの人たちを対象に、心温まるポジティブな想いを発信していきたいな、と。友人の死を期に考えるようになりました。
真;そうなのですね。友人の死からそのような想いに繋がっていたとは想像もつきませんでした。持続的幸福感を得られる状態というのが、おもいっきり誰かのために役立てる状態だとイコールしているのがすごいことですね。
雲;いえいえ、とんでもないです。この考えには、やっぱり人間って
色々な人のおかげで生きている
という事が原点にあるんだと思います。だからこそ自分が受け継いだものを次の世代に恩返しして生きたいし、「おかげさま」の気持ちを持ち続けて、互いに感謝し合える世界を創っていきたいと思っています。
西;私も今まで色んな人に助けてもらってここまで生きているので、人のためになること、役にたつことをしたいと思えている、原点は一緒ですね。
真;そうですよね。色々な人のおかげで生きている、生かされているということに感謝をしていると、自然と人のために動くということも幸せの一つに感じられると思っています。
西;真綾さんはどんなことをきっかけにそう思うようになったのですか?
真;私は見ず知らずの人に沢山お世話になった事がきっかけですかね。
思春期真っ只中の高校生の時よく全国各地旅をしていたのですが、旅先で出会う方々に
無償の愛情
を沢山いただいたんです。車で送ってもらったりご飯をいただいたり。数日一緒に住まわせてくれた女性もいたんですね。その時人間ってあったかいんだなあって、人で生まれて良かったな、このあったかさを伝えていきたいなあって思いましたね。
雲;へー!旅の中で人のあたたかさや繋がりを感じることが出来たんだね。真綾さんにとってそこは居場所になっていたのかもしれないね。
真;そうですね、私にとってかけがえのない居場所でした。
雲;僕は深い繋がりを感じることが出来ればそこが居場所になると思っていて。そういう意味では居場所って、真綾さんにとって全国各地にあったように、世界中のどこにでも創れるなあって。
真;そうですね!居場所は世界中どこにでも創れる・・・非常に共感します。ただ、オンライン上で居場所を創るというのは難易度が高そうにも思うのですが・・なにか悩んだことや難しかったことはありますか?
雲;ありますよ。オンライン上のコミュニティは、匿名性が高ければどこにでも他人を虐げる流れというものはあるので、その流れの中でネガティブなコミュニティよりもポジティブなコミュニティをマジョリティにすること。
それが難しかったと思います。
真;確かに、匿名性が高いコミュニティでは簡単に人を貶したり傷つけたりする人が多いというイメージがあります。
傷つけ発散し合うネガティブなコミュニティではなく、ポジティブなコミュニティをマジョリティに出来た要因は、先ほどおっしゃっていた、「思いやり」や「助け合い」にインセンティブが働く仕組みなのでしょうか?
雲;はい。その仕組みはいくつかあるのですが、人を褒めあうイベントや、心温まるエピソードコーナー、ユーザー同士プレゼントの交換が盛んに出来るようにしています。
西;はじめましての人がくると、みんなで服のプレゼントをあげたりね。なんでかって、自分もはじめましてのとき、服をいただいたから。そういう、
思いやりの連鎖
が起きているのをみると非常にうれしいですね。
真;それは素晴らしい連鎖ですね。なんだか私もMILU利用したくなってきました!(笑)
西;また何か悲しい体験をして落ち込んでいる人が居れば、みんなでプレゼントを渡して励ましたりもしていますよ。
そういった沢山の思いやりをいただくことで、日々の悩みを乗り越えてる人も現にいると思います。
真;MILUをすることで支えられたり、悩みを乗り越えられる人がいるんですね。
そこには匿名だからこそ打ち明けられる悩みもあるんだと思いますし、そこで沢山の人が自分のことを考えてくれる、思いやってくれると感じられると温かい気持ちになりますね。
そこが自分の居場所となり、明日からの活力が湧いてくるように思います。
西;本当にそうだと思います。僕はオンラインポジティブコミュニティとしてこのゲームが利用者の居場所となり、心が癒されたりここで遊んだことが何かの助けになればと思っています。
雲;そうですね、私もこれからはオンライン世界、またそこに存在するコミュニティのあり方がより重要になると考えているので、
オンラインポジティブコミュニティを創ることで世界中の人々がポジティブな気持ちで繋がり、心温まる居場所が増えていくといいなと思っています。
「居場所」 とはどんなものだと思いますか?
思うままに答えていただければ幸いです。
西;
「居心地の良い場所」
ですかね。人ってずっと一人だけでいると、塞ぎがちになってしまうと思うんです。
だから誰かが自分の存在を認識してくれている、理解してくれていると思える場所が必要で、人によってそれが家族だったり友達だったりすると思うんですね。
私はそういう居心地のよい場所が、自分にとっての居場所だと思っています。
雲;僕は
『自分の存在意義』を感じやすい物理的、精神的空間
だと思っています。自分の存在意義を感じるって難しいですけど、
物理的空間としては自己実現を得やすい場所であったり、精神的空間としては自分を必要としてくれる人がいたり、承認欲求が満たされていることなんじゃないですかね。
深いつながりを感じることが出来ればそこが居場所になると思っているので、今後世界のより多くのひとたちにとって心地の良い居場所を創って行きたいと思っています。
真;お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!
雲井さんと西山さんとの取材の中で得た気づき。
実は私も居場所を求めていたときがあったということ。
高校生の頃 である。
休日や平日(学校を早退して)一人で全国に足を運んでいた。
高校は進学校だったので規則は厳しく、比較的真面目な子が多かったこともあり、
窮屈さや日々の物足りなさを持つことも多かった。
電車に揺られ愛知県のど田舎の駅から東京や大阪、宮城まで全国各地へ。
知り合いが誰もいない場所で、ご飯を食べ、買い物をし、友人が増えていく。
今思えば、思春期ど真ん中でありのままの自分を表現できる居場所を求めていたのかもしれない。それは、
非日常的な空間
だったからこそ成り立っていたのだと思う。
MILUにも同じような感覚を覚えた。匿名だからこそ胸のうちを明かせる、寄り添えるあたたかいコミュニティが出来うるのであろう。
今居場所が必要だという人に届きやすいオンライン上で、互いの心を温めあえるこのサービスは、次世代の居場所になりうるのかもしれない。
全世界の人たちがイキイキすごしていく手段の一つとして、このサービスが浸透していくことを切に願う。
グレイトフルデイズ株式会社
2005年設立。グレイトフルデイズとは、直訳すると感謝する日々。
「お陰さま」の気持ちを持ち続け、互いに感謝し合えるサイバーワールドを発展させることで、思いやりの心を溢れる次世代アイデンティティを構築する。という想いをこめた社名である。
「世界№1の心温まるオンラインポジティブコミュニティの創造」を企業理念とし、ネットサービス業界のリッツ・カールトンを目指し日々邁進している。